『父の格言』

 私の父は豪快な男だった。身体の方は、浴衣を着てディ
スコに行けば『相撲とり』に間違えられるほど。精神の方
は、生前から用意した自身の遺影が、特大のおちょことと
っくりを持った満面の笑みというもの。しかも、実際の葬
式の際には、「さすがだ」「俺も真似していいかな」「わ
しは飛行機の模型を持った写真にしよう」「俺は何にしよ
うか」と、いきなり盛り上がってしまう友人たちを持った。
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