2010-07-30 『昔日』 私の生家は美濃街道に面しており、戦争未亡人となった 祖母が布団屋をしていた。夏になると、祖母は道に椅子を 出し、アッパッパの胸元に団扇で風を送りながら、夕涼み をしていた。道行く人々が祖母に声をかけ、あるいは立ち 話をし、そうして、夏の夕は暮れていった。 <続きを読む>